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朽ちていく物

  • 執筆者の写真: sugiknotwood
    sugiknotwood
  • 2016年4月27日
  • 読了時間: 1分

言葉ではその理由をうまく説明出来ないが、非常に心ひかれるものがある。

朽ちていく物朽ちた物も、そのひとつ。

写真集「OBSESSION」与田弘志(1994)、序文は武満徹。

十数年前に、書店で見かけてまさにobsession(取り憑く)された。

そこに写っているのは、朽ちた金属やプラスティックやゴム等と朽ちていく果物や野菜。

それらの物がほぼ単体で、写されている。

金属やプラスティックやゴム等は、ある程度長い時間をかけて朽ちていったことを感じさせる。

そこに至るまでに、費やされ失われた「時間」を見る。

それほど長い時間をかけずにそこに至ったであろう、鮮やかな色を部分的に残しながら、黒ずみうっすらとまたはびっしりとカビに覆われた果物や野菜。

そこには、長くはないがその先にまだ残された「時間」を見ているのかもしれない。


 
 
 

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© tohru sugimura

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